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エピソード27ポコちゃんのドライブコープデリグループの組合員数は約520万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。illustration:MaikoDake08クマのぬいぐるみの「ポコちゃん」は長野県で暮らす徳とくたけ嵩淳子さん5年前、結婚前に夫からもが、3らった大切なプレゼントである。いつも洋服を着せて、連れ歩いている。「ポコちゃんは最初、私の宝物でしたが、家族みんなの宝物になっていきました。わが家の仲良しの秘訣は、言いたいことは我慢せずに言い合うこと。だけど、家族だからといって相手を気遣わない言い方は良くないですよね。だから、言いにくいことはポコちゃんに言ってもらうんです。そうすると、ぎくしゃくしないんです」ポコちゃんは家族の一員。どの家族写真にも、たいていポコちゃんが写っている。0淳子さんがコープながのの組8年合員になったのは、今から2前。当時2歳だった長女の“ママ友”に誘われた。配達担当は3歳前後、角刈りの男性でメガネをかけた優しい雰囲気の人。名前は思い出せない。たくさんは話さないが、毎週何か会話をした。組合員になった2年後には長男・諒さんが生まれ4人家族になった。………§………諒さんが2歳になったある日。いつものように諒さんとポコちゃんと、車で100mほど離れたお宅へ宅配商品を受け取りに行った。息子の手を引いてグループ配達のメンバーと話し、商品を分けて、回収してくれるたまごパックを入れた紙袋を担当者に渡して自宅へ帰った。ふと気づくとポコちゃんがいなかった。諒さんに「ポコちゃんは?」と聞くと、まだちゃんと話せなかった息子は首を振っていた。「私はパニックになってしまって、どうしよう!って思いました。泣きながらよーく記憶をたどっていくと、たまごパックを入れた紙袋に入れてしまったかもしれないって思ったんです。両手がふさがっているときに、いったんここに入れておこうって。慌てて宅配センターに電話しました」淳子さんは、とにかくポコちゃんの不在が不安だった。当時はまだ携帯電話もなく、直接配達担当者に連絡を取る術がなかった。宅配センターの職員に電話で事情を話すと、とても親身に対応してくれた。しばらくして、電話がかかってきた。まだ配達中の担当者が公衆電話から電話をくれたのだ。彼は「手のひらくらいのサイズのクマちゃんですよね?今僕と一緒にドライブしています。配達後の夕方にお届けしますね!」と言った。「声がとっても優しくて、安堵したのを覚えています。ポコちゃ安心してください。んはお兄さんとドライブして、家に帰ってくるんだなって。子どもたちにもそう説明しました」その日の夜7時頃、約束通り配達担当のお兄さんに連れられてポコちゃんが戻って来た。彼は大事そうに両手のひらにポコちゃんをのせていた。淳子さんはどれだけのありがとうを言っても足りないと思った。そしてあやまった。彼はこう言った。「袋の中をその場で確認しなかった僕がいけなかったのですから、そんなにあやまらないでください」淳子さんはそのとき、自分のことばかり考えていて周りの気持ちなど考えていなかった自分に気がついた。今、こうしておそらく仕事後の帰り道に立ち寄ってくれた彼も、電話対応してくれた職員さんも、重大な事柄として扱ってくれた。きっと普段から、彼らは私たちのくらしを大切に思ってくれていたのではないか?その日以来、淳子さんにとってコープは特別な存在になった。ポコちゃんは今も、徳嵩さん家族と一緒に暮らしている。過去の物語もこちらから読めますあなたのエピソードをお寄せください。コープ職員との心に残る出来事を随時募集しています。氏名・電話番号・組合員コードを記入し、郵便(〒336-8526埼玉県さいたま市南区根岸1-4-13コープデリ連合会コミュニケーション推進部宛)か、左記のWeb応募フォームよりお送りください。♦実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、読み物の形にまとめています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。イラストはイメージです。