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エピソード31誰もが誰かの大事な人コープデリグループの組合員数は約520万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。illustration:MaikoDakeいがコープながのでは3つのセンターで、新入職員の家庭訪問を行っている。これは安曇野センターが独自に始めた取り組みで、新卒で入職した職員が半年勤務した頃に、センター長がご家族を訪問するというもの。長野センターの宮下信一センター長は、職員たちが長く働き続けられるためにできることはないかと考え、取り入れた。そして2022年飼光ひかりさんの自宅へ両親9月、猪いを訪ねた。宮下さんはいう。「4月に入職し、配達も1人で行けるようになって、不安や心配ごとはないかなって、ご家族と交流することで見えることがあるかもしれないと思ったんです。お母さんは娘さんが毎日トラックを運転し、商品を配達する仕事に就いて、『今日は雨だなとか、暑くなるなとか、毎日の天気をとても気にするようになった』と話してくださったのが印象的でした」光さんは、二世帯住宅で暮らしていた亡き祖母が、コープの宅配を利用していたことでコープの存在を知った。「毎週、配達のお兄さんが商品を届けに来て、話しているおばあちゃんがいつも楽しそうでした。私が人と接する仕事に就きたいと思ったのは、学生時代の映画館のアルバイトが楽しかったからです。就職活動中、1日インターンとして実際に働いて08みて、コープで仕事をしたいなと思ったんです」と光さん。………§………そんな娘を見守る光さんの父・健一さんは「センター長はうちに来たとき緊張していたね。日頃の娘の仕事ぶりを聞くことができました。どういうところに就職するんだろう?って心配はしていましたよ。でも、私の意見を言うことはなかったです。相談には乗りましたけれどね。私自身、若い頃に親からこうなれああなれって言われたタイプで、高校生くらいの頃は疑問にも思わず期待に応えていたけれど、結果的に親が望むようには生きられないですよ。親の言うとおりにしなかったことで良いこともたくさんあったし、自分で選んだ道でさえ、途中で変わりますよね。だから自分で決めた道を進めばいいんです」と話す。母・真由美さんは「毎日配達であったことや、組合員の皆さんと話したことを聞いたりして、追体験しているようで楽しいです。最初は遅くに帰って来て、疲れてリビングに倒れ込んでいたけど、ここのところ目に見えて以前より早く帰宅できるようになって、社会人になってちゃんと成長しているんだなって思います」と目を細める。「母は、子どもの頃から今でも『いってらっしゃい』って私を送り出して『お帰りなさい』って迎えてくれています。食事も作ってもらえてありがたいです。コープの宅配って、『ありがとう』ではなく『いつもありがとう』って言ってもらえる仕事です。最初『生協さん』って呼ばれていたのが、だんだん『光ちゃん』とか『猪飼さん』って呼んでくださるようになって……。最初ミスをよくしてしまったので、ひたすら確認、気を抜かず、しっかり仕事をしていきたいです」と光さんは笑顔で話す。入職して間もなく1年。光さんは、目指すコープの職員像を探しているさなかだ。「光」という名前は、早くに亡くなった真由美さんの母・光子さんから一文字取って付けられたもの。誰でもそうだが、子どもの名前には1人ひとり、幸せに生きてほしいという願いが込められている。そして職員1人ひとりに、こんなふうにあたたかく見守る親や家族、誰かがいるのだ。過去の物語もこちらから読めますあなたのエピソードをお寄せください。コープ職員との心に残る出来事を随時募集しています。氏名・電話番号・組合員コードを記入し、郵便(〒336-8526埼玉県さいたま市南区根岸1-4-13コープデリ連合会コミュニケーション推進部宛)か、左記のWeb応募フォームよりお送りください。♦実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、読み物の形にまとめています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。イラストはイメージです。